片倉佳史講演活動
片倉佳史講演活動 活動写真
日期:2015.12.4 | 單位:臺灣大學文學院日本研究中心
  

  

講 題:台湾と日本―台湾在住作家の取材メモから

主講人:片倉佳史 (かたくら よしふみ)

主持人:辻本雅史(臺灣大學日本語文學系教授)


演講者簡介:1969年神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部教育学科卒業後、出版社勤務を経て台湾と関わる。台湾に残る日本統治時代の遺構を探し、それらを記録している。地理・歴史、原住民族の風俗・文化、グルメ、鉄道などのジャンルで執筆・撮影を続けており、これまでに手がけてきた台湾のガイドブックは35冊を数える。グルメについては2014年までに大小450軒のレストランを取材してきた。著書に『台湾に生きている日本』(祥伝社)、JTBキャンブックス『台湾 鉄道の旅』、『観光コースでない台湾』(高文研)、『旅の指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『台湾鉄路と日本人』、『台湾に残る日本鉄道遺産』(交通新聞社)など。共著に『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、編著に『新個人旅行・台湾、台北』(昭文社)などがある。また、台湾では『台湾風景印―台湾駅スタンプと風景印の旅』、『台湾日治時代遺跡』、『台湾土地・日本表情』(以上、玉山社)などの著作がある。また、2012年には李登輝元総統の著作『日台の「心と心の絆」~素晴らしき日本人へ』(宝島社)を手がけた。最新刊は『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年』(祥伝社)。現在はラジオで8年目を迎えるレギュラー番組を持つほか、日本での講演活動も毎年20回を数えている。ウェブサイト台湾特捜百貨店(http://katakura.net/)を主宰。

片倉佳史講演活動
日期:2015.9.25 | 單位:臺灣大學文學院日本研究中心
臺灣與日本─從旅居臺灣作家的採訪筆記出發
要 旨
 2015年12月4日、片倉佳史氏をお招きし、第4回台日文化交流教室を開催した。台湾在住18年の片倉氏は、「台湾と日本―台湾在住作家の取材メモから」と題し、これまでの台湾生活や取材・執筆活動の中で感じた台湾の魅力についてユーモアたっぷりに語った。 開会に先立ち、本センター副主任の林立萍教授が「日台双方の共通認識や理解を深めるべく今回この会を開催し、片倉先生からご自身のご経験を通して知った台湾の魅力を語っていただける機会を設けることができて大変嬉しい。」と述べ、その後辻本雅史教授による片倉氏の紹介を経て、片倉氏のご講演へと移った。

 1.台湾の魅力の中で際立っているもの  
 日本人はよく「日本が台湾に何をしたか、何を残したか」と言うが、むしろ「日本が台湾から何を学んだか」という点に注目すべきである。何かを知りたい外国人を真正面から受け止め、望みをなんとか叶えようとしてくれる―――これが、台湾の民族性だと考えている。

 2.「旅」って何だろう?  
 台湾に18年暮らしていても旅の感覚は消えない。日台双方の交流はとても大切。旅行に行く時は「私の台湾ノート」と題した1冊のノートを携え、現地で感じたことを全てメモすることを勧める。これを何年か後に読み返すといろいろな発見がある。

 3.台湾の木造駅舎  
 新竹駅など日本式の駅舎はいくつか残っているが、実際は随所に台湾らしさが表れている(例:トイレは駅舎の外にある=熱帯病への畏れ)。

 4.芝山巌(しざんがん)~日本人が最初に接した異国人~  
 台湾は日本が国際条約で得た最初の「新領土」。まず、治安の安定・衛生事情の改善・教育の普及の3点から取り組んだ。日本語教育も外国語研究も、日本にとっては「初体験」だった。

 5.開山神社(延平郡王祠)~鄭成功を祀った神社  
 日本最初の外地神社であり、かつ日本で最初に「外国人」を祭神とした神社である。日本人は鄭成功を統治に利用したのだが、観光で訪れてもこういった視点からの解説はないため、多くの旅行者は何も知らずに通り過ぎてしまう。

 6.「台南銀座」と都市計画~若き建築家たちの挑戦  
 台南市中正路は日本統治時代「台南銀座」と呼ばれていたが、ここは梅沢捨次郎という若手技師が設計した商店街。通常若手が能力を発揮するまでに日本内地では20年はかかるが、新領土台湾では早くに才能開花が可能となった。

 7.台北市の都市計画と後藤新平~人材が育つために必要なもの  
 後藤新平は縦貫鉄道全通時、「全ては技師長がやった」と答え、自分は優秀な人材を見出し、チャンスを与えることで才能を発揮させただけとした。このように、台湾は若くて優秀な人材が能力を発揮できる土地であった。

 8.現代台湾事情  
 台湾には外国人を深い部分まで受け止めてくれる許容性があり、外国人を惹きつけるのもまた、地元の人々の「郷土愛」である。近年修学旅行で台湾を訪れる日本の高校生が激増し、今年度は3万人を突破する見込みである。

 9.東日本大震災の復興支援について考える  
 200億円におよぶ台湾からの義援金の背景には、次の6つがあると考えられる。
    ① 日本への親近感・友情―「もはや日本と台湾は他人ではない」
    ② 「恩返し」―果たして何の恩返し?
    ③ 相互扶助の精神―日常的に行われる助け合いと善行
    ④ 主体性に基づく行動―「ぶれ」がない人々
    ⑤ 両国の文化・経済・社会の結びつき―共倒れもありえるほどの強い関係
    ⑥ 共感できる「心」と「絆」―目に見えないつながり

 10.李登輝元総統のインタビューから  
 日本民族は目に見えない抽象的な概念を共有し、それに従って動くことができる。ルールを守り、常識と良識を培い、社会を成り立たせている。

 台灣大学の学生たちへのメッセージ:
  ・台湾を好きな気持ちをどんどん磨くことで、他の国のことも見えてくる。
  ・知りたいと思ったことへ素直でいること。純粋な気持ちを大切に。
  ・体が壊れる一歩手前まで勉強した方がいい。
 
 講演後には活発な質疑応答がなされた。以下はその一部である。
 Q. 今後どのような視点で活動していくのか。
 A. 色んな国を旅したが、やはり台湾は際立って人がいい。台湾はネタの宝庫だと思う。今後は年配の方々への取材をもっと増やしていきたい。

 Q. 台湾で困っているところはありますか。
 A. 親切すぎるところや、「ツメが甘い」ところ。台湾人同士であれば問題ないが、外の人間と接するときはトラブルになりやすい。(例:遅刻)
 
演講者簡介
 演講者簡介:演講者簡介:1969年神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部教育学科卒業後、出版社勤務を経て台湾と関わる。台湾に残る日本統治時代の遺構を探し、それらを記録している。地理・歴史、原住民族の風俗・文化、グルメ、鉄道などのジャンルで執筆・撮影を続けており、これまでに手がけてきた台湾のガイドブックは35冊を数える。グルメについては2014年までに大小450軒のレストランを取材してきた。著書に『台湾に生きている日本』(祥伝社)、JTBキャンブックス『台湾 鉄道の旅』、『観光コースでない台湾』(高文研)、『旅の指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『台湾鉄路と日本人』、『台湾に残る日本鉄道遺産』(交通新聞社)など。共著に『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、編著に『新個人旅行・台湾、台北』(昭文社)などがある。また、台湾では『台湾風景印―台湾駅スタンプと風景印の旅』、『台湾日治時代遺跡』、『台湾土地・日本表情』(以上、玉山社)などの著作がある。また、2012年には李登輝元総統の著作『日台の「心と心の絆」~素晴らしき日本人へ』(宝島社)を手がけた。最新刊は『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年』(祥伝社)。現在はラジオで8年目を迎えるレギュラー番組を持つほか、日本での講演活動も毎年20回を数えている。ウェブサイト台湾特捜百貨店(http://katakura.net/)を主宰。