講 題:成功の五原則 主講人:似鳥昭雄(日本NITORI控股集團會長)
2014年11月11日、本センター主催の第一回「名人系列講座」を開催した。株式会社ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長をお招きし、「成功の5原則」と題して講演を行っていただいた。会場は、300人以上の学生たちで埋め尽くされた。 似鳥会長は1967年北海道札幌市で「似鳥家具店」を創業し、現在では日本国内329店舗、アメリカ5店舗、中国1店舗、台湾19店舗の合計354店舗を展開するにまで成長させた、日本の代表的な企業家である。グループ会社を含めた業績は好調で、2013年度決算において年間売上3,876億円・経常利益634億円を達成し、27期連続増収増益を持続、日本の上場企業の最長記録を更新中である。その他、近年はアジア市場の開拓や国外人材の育成、ならびに外国人学生への支援も積極的に行っている。本校学生に対しても、この度、似鳥国際奨学財団より奨学金の提供が行われることになった。本講演は、日本研究支援記念の意味を込めた講座である。
1967年に北海道札幌市に1号店を開店後しばらくは順調だったが、競合店の出現により窮地に立たされた。倒産寸前の危機のなか、社長は「アメリカ家具研修セミナー」に参加し、このアメリカ視察は人生のターニングポイントとなった。他者の幸せのために働くことに意義を見出し、方向・方法・順序の3つの要素を基盤とする長期計画へと転換し、諦めることなく理想を追い求めるようになったという。当時、似鳥社長は日本の家具形態がアメリカに追いつくために必要な時間を60年と考え、これを30年ずつの2期に分けた。最初の30年で「日本一のニトリ」となり、次の30年で「世界一のニトリ」へと発展していくことを目標とし、邁進した
いかにして「ブルー・オーシャン(競合相手のいない領域)を切り開き、成功へと踏み出すのか。似鳥会長は、「成功の五原則」―ロマン、ビジョン、意欲、執念、好奇心―を示した。ロマンは事業への志や理想のことであり、ニトリは「豊かな住まい環境の提供」を理想としている。ビジョンはその理想を達成するための計画のことで、ニトリの2つの30年計画が例として挙げられる。意欲、執念、好奇心は、ビジョンを実行し理想に達するための重要な心の持ち方である。このような気持ちを持ち積極的でありさえすれば、変化や危機もチャンスとなる。執念とは成功するまで諦めないしつこさ、そして好奇心とは常に新しい物を発見しようとする態度のことである。好奇心のない人で成功した人はいない。この成功の五原則はニトリに限らず、すべての人に役に立つヒントである 約1時間半の講演の後、質疑応答では学生はじめ聴衆から多くの質問があり、似鳥社長はユーモアを交えながら一つ一つ丁寧に応答された。 閉幕式では、日本研究センター・徐興慶主任より感謝の意が述べられ、この記念すべき講演会は、熱気に満ちた盛大な拍手とともに終了した。