本学日本研究センターは東アジア日本研究者協議会とともに、11月1日から3日にかけて「第4回東アジア日本研究者協議会国際学術大会」を福華文教会館卓越堂、台湾大学文学院及び普通教学館と3箇所の会場で開催しました。本大会では4本の基調講演、51組のパネル発表、そして130本の個人論文発表(81名の博士課程学生と若手博士研究員による5組のパネル発表と60本の個人論文発表を含む)に、400名を超える学者や博士課程学生等が会議に参加し、参加者数の総計は今までの最高記録を更新しました。
大会の初日(11月1日)は、本学副校長の陳銘憲、および御来賓の独立行政法人国際交流基金の柳澤賢一部長、日本台湾交流協会新聞文化部の松原一樹部長の挨拶によって開幕しました。そして本協議会の各国発起人、ソウル大学国際大学院の朴喆熙院長、漢陽大学日本学国際比較研究所の李康民所長、国際日本研究センターの小松和彥所長、中国文化大学の徐興慶校長によって、本協議会設立の目的は国際学会への転換、多国籍で横断的な日本研究、さらには東アジア研究の統合であることが再確認されました。
4本の基調講演は名古屋大学の平川均名誉教授、名古屋大学高等研究院・龍谷大学の阿部泰郎教授、東京大学大学教育総合研究センターの栗田佳代子副所長、日本国立公文書館アジア歷史資料センターの波多野澄雄所長によって行われ、経済・宗教・教育・歴史等各分野の現状や将来起こりうる問題について幅広く講演をしていただきました。そして中国文化大学の徐興慶校長が「台湾における日本研究の現状と発展」をテーマとして特別講演を行い、台湾における日本研究の困難さを説明した上でその改善策を提案し、参加者と一緒に日本研究の可能性を探りました。
各パネル発表は、2日と3日に普通教学館及び文学院において25の教室で行いました。東アジアをテーマとして、思想交流史、諸宗教交流、高齢社会及び福祉問題、政治と国際関係、歴史認識問題、言語研究及び日本語教育等15の分野に分かれて行われ、東アジアにおける日本研究の学術能力を向上させるだけではなく、国境を越えた学者間の交流を促進することもできました。
東アジア日本研究者協議会(East Asian Consortium of Japanese Studies, EACJS)は2016年に始まり、東アジア各国の日本研究者に研究成果の発表および交流の場を提供するだけでなく、若手世代の研究者の育成にも力を入れています。過去3回の大会は、韓国のソウル大学、中国の南開大学、日本の国際日本文化研究センターで行われ、毎年300名以上の学者が参加し、政治、経済、歴史、思想、言語学、文学等の分野が取り上げられました。今回の大会は本学日本研究センターが主催し、台湾において初めての人文科学および社会科学にわたる東アジアの日本研究に関する学術会議となりました。分野を超えた学術交流を深めただけでなく、台湾の国際的な認知度を高めることもできました。
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