2018年6月23日、第5回台湾大学・名古屋大学研究生論文発表会「ゼロから無限大へ―日本研究の可能性―」を台湾大学文学院会議室で開催しました。
開会式では、名古屋大学超域文化社会センター教授によって、過去4年間の両校が共同して行った研究生論文発表会を振り返り、また今回の発表会が順調に進むことを願って挨拶が行われました。名古屋大学超域文化社会センターは「アジアの中の日本文化」研究センターから引き継ぎ、4月から新たに開設されました。新たなセンターとして、東アジアにおける日本研究の発展に貢献したいと願っているとのことでした。
両校の研究生によって、11本の論文発表が行われました。歴史・メディア・言語・ジェンダー等、異なる領域のテーマのもと、活発な討論や交流がされ、研究生にとっては収穫が多いものになったと思います。
最後に、本センター主任の林立萍教授による閉幕の挨拶がされました。今回の発表会では、若い世代の研究生が関心を持っているテーマを知ることができたと同時に、学生にとっては、発表を通した経験が、将来学位論文の執筆に役立つものになったと確信しているとのことでした。さらに、今回は教師と学生の研究の繋がりが見出されただけでなく、本発表会が価値あるものだと認識されました。今後も本発表会が末永く続くよう、願っているとのことで閉会の挨拶とされました。
発表者:高松世津子(名古屋大學人文學研究科博士班一年級)テーマ:元寇祈祷と舎利信仰─室生山埋納舎利と叡尊舎利信仰─
発表者:黃庭碩(臺灣大學歷史系博士候選人)テーマ:天下秩序的表與裏:從10世紀東亞世界看吳越國的政治多面性
発表者:陳瑢真(臺灣大學歷史系博士班二年級)テーマ:從熱蘭遮城倉庫的最後清單,初探荷蘭時代末期之台灣與日蘭貿易的轉變
発表者:朴景淑(名古屋大學人文學研究科博士候補研究員)テーマ:「不・無・非・未」の否定の意味と程度性について
発表者:田泰昊(名古屋大學人文學研究科博士班二年級)テーマ:製作委員会方式から見る日本のメディアミックスシステムの変遷
発表者:木村美幸(名古屋大學學振特別研究員)テーマ:戦時下における日本海軍の志願兵宣伝
発表者:陳昱君(台灣大學國家發展所碩士班二年級)テーマ:彩管報國的結局:日本二戰終戰後的戰爭畫畫家究責
発表者:郭昶欣 (台灣大學國家發展所碩士班二年級)テーマ:優生學路徑下的「民族」──二戰中日人口政策中的觀察
発表者:鄒韻(名古屋大學人文學研究科博士班三年級)テーマ:語りえぬものから聞きえぬもの―吉屋信子の『花物語』の変遷と受容について
発表者:谷川信(名古屋大學人文學研究科碩士班二年級)テーマ:志賀直哉「正義派」・「出来事」における生と死
発表者:陳婉渝(臺灣大學日本語文學系碩士班一年級)テーマ:村上春樹作品における記号としての「渡辺昇」「ワタナベ・ノボル」—短編集『パン屋再襲撃』における四つの作品を中心に—