產學對話系列座談會(三)『對今後年輕人的期待』
產學對話系列座談會(三)『對今後年輕人的期待』
日期:2016.3.5 | 單位:臺灣大學文學院日本研究中心
        

     

     

  
對今後年輕人的期待
日期:2016.3.5 | 單位:臺灣大學文學院日本研究中心
產學對話系列座談會(三)『對今後年輕人的期待』
演講紀要

 2016年3月5日、台湾大学日本研究センターはANA台湾支社総経理の島一範氏をお迎えし、本校校史館会議室にて第3回日本研究産学対話を開催した。開会に先立ち、本センター副主任林立萍副教授より開会の挨拶があった。島氏は早稲田大学卒業後ANAに入社し、30年ほどのキャリアを持つ。今回は講演を通して若者に彼らの今後への期待を伝える他に、日台間の交流促進も意図されていた

 島氏はまず台湾の311大震災への支援に感謝を表し、震災後日本人が支援物資配布の列に並んでいる秩序ある様子が、ニュース報道を通して世界に衝撃を与えたと述べた。

 日本という民族の生き方と武士道は切っても切れないものがあり、この武士道精神が日本人の心に根付いている。新渡戸稲造は『武士道』の中で、武士は「保護」のために存在し、才能や見識、人徳を兼ね備え、目の前の戦いに正々堂々と立ち向かうものである。ゆえに、彼らにとって「臆病者」というレッテルは最悪の屈辱だとした。「勇、仁、礼、誠、名誉、忠義」は武士道の基本精神であり、日本の子供は幼少期より「義」と「勇」(義を見てせざるは勇なきなり)と「名」を惜しむこと(名誉や名声が失われるのを恐れる)を家庭で叩き込まれてきた。島氏は「家族」は社会を構成する最小単位であり、それゆえ家族間でも信頼し尊重し合わなければならないと述べた。

 島氏はANA台湾支社に赴任して5年になるが、日本と台湾の最大の違いは「究因文化」と「究責文化」にあると気づいたという。問題が起きた時は問題の発生とその原因を理解し、改善或いは解決方法を考えなければならず、ただ単に誰の責任かを追求すべきでない。これは企業においてかなり重要な観念である。

 企業あるいは社会において、「誰が正しいかより、何が正しいか考えること」が大切であり、人と人の信頼関係や協力関係はこの「真摯」な態度の上にきずかれるべきである。「真摯」とは心の底から出てくる誠実さのことであり、島氏はこれを人間の最も大切な特質と考えており、最も重視するポイントでもある。会場の若者にもこの「真摯」の重要性をぜひ覚えておいてほしい、と島氏は呼びかけた。

 また、成功へと向かう「幸運」とは「準備×チャンス」であり、普段の練習積み重ねで実力を蓄え、チャンスが来た時に力を発揮する。また、島氏はご自分の経験から、次の5つの生活信条を示した。
   1.必ずできるという信念を持った時、必ず道が開かれる。
   2.心の中のワクワクする感情こそ、生きる力の源泉。
   3.運の良い人は、自分は運の良い人間だと信じている。
   4.日々新たな気持ちで一日をスタートする時、一瞬一瞬が輝くときとなる。
   5.迷ったときは、「楽しい」が判断基準。

 講演後の質疑応答では参加者から多くの質問が挙がった。たとえば、日本企業における女性の差別的待遇が話題となった。日本は過去に女性に対して確かにある種の制限があり、現在でも多少は存在するが、安倍政権発足後、日本における女性の待遇を改善すべく尽力している。安倍首相の再挑戦の精神は日本企業にも表れており、現在日本企業は女性社員を雇用し、ANAも女性が安心して仕事ができる環境作りの実現に取り組んでいるところだという。島氏自身の挫折経験については、ANAでの最初の仕事は30台の自転車の管理であり、自分の思い描いていたものとはかけ離れてはいたが、一生懸命その仕事に取り組み、30台全てをうまく管理できるようになり、その後は飛行機の重量を量る仕事にも携わった。以前自分のミスで飛行機が飛べなくなりそうになったことがあったが、この失敗を教訓として努力を重ねた。失敗や挫折は、学ぶためのよい機会である。

 座談会の最後、辻本雅史執行委員より閉会の挨拶があり、今回の講演の充実した内容および交流は、参加者にとって大変有意義なものであったと、島氏への感謝の言葉を述べ、大きな拍手とともに無事終了した。