日本研究產學對話系列座談會①『日系企業所期待的人才』
日本研究產學對話系列座談會①『日系企業所期待的人才』
日期:2015.1.17 | 單位:臺灣大學文學院日本研究中心
        

     

  

  

講 題:企業找尋的人材
主講人:東山三樹雄(臺灣三井物產股份有限公司董事長兼總經理)


講題:三菱商事找尋的人材樣態
演講人:丹羽康彥(臺灣三菱商事股份有限公司總經理)

企業找尋的人材
日期:2015.1.17 | 單位:臺灣大學文學院日本研究中心
日本研究產學對話系列座談會①『日系企業所期待的人才』
演講紀要

 産学対話の促進、学生の日系企業に対する理解の深化、職場における競争力の向上を目指し、本センターは2015年1月17日(土)第一回日本研究産学対話シリーズ座談会「日系企業が求める人材」を開催した。台湾三井物産股份有限公司董事長兼総経理の東山三樹雄氏、台湾三菱商事股份有限公司総経理の丹康彦氏にお越しいただき講演及び学生との座談をしていただいた。

 日本は台湾にとって最大の輸入貿易国であり、また輸出貿易国家ランキングでは4位に位置している。日系企業は数多く存在し、多くの卒業生、特に日本へ留学した学生にとっての第一希望就職先となっている。本センターは学術交流のほか、産学協力も重視しており、今回の座談会はその初めての試みであり、年に4回このような機会を設けていく。

【在台日系企業最高経営責任者講演】
テーマ:企業が求める人材
発表者:東山三樹雄(台湾三井物産股份有限公司董事長兼総経理)
 東山氏は以下の4つの能力が優秀な人材が兼ね備えるべきものであると述べた。「礼儀正しい態度」「子どものような好奇心と探究心の保持」「未来を見通す力と創造力」「驚くべき行動力」


● 礼儀正しい態度

「礼儀正しい態度」とは、
1自信に満ち、自己犠牲の団体精神を持つこと
2常に客観的な自己分析をし、謙虚な態度でいること
3揺るぎない信念や考えを持ち、他人の意見に耳を傾け尊重すること
4全体の環境を把握する常識を備えること

 その中でも一番重要な事はどのように相手の立場に立って考えることである。他人の立場で考えらればければ、何一つ物事を成し遂げられない。次に、客観的に自己分析することは一番重要なことの1つであり、自信を持ち、自分に何がかけているかを反省、改善していく。三井や三菱には一流大学を卒業した人などいくらでもいる。そのなかで、自分を分析して利点や欠点を把握できなければ他人と協力して困難な仕事を成功させることなど不可能である。

● 子どものような好奇心と探究心の保持
 子どものような好奇心と探究心の保持とは、世の中で起こったことや人に対して「なぜ」「どうして」の心を持ち、それを追求し学び続ける向上心と、自分の視野を広げてどんな困難なことにも立ち向かっていく精神のことである。東山氏は台湾大学の卒業生は皆保守的であるとし、社会へ出たら楽かもしれないが、企業からすると環境の変化に立ち向かい、仕事に対する探究心が足りない。  
 例えば台湾と中国の関係は絶えず変化しており、ずっと保守的な態度でいれば時代の変化に適応できず仕事で良い結果が出せない。東山氏は、台湾三井は中国、ベトナム、インドネシア、インドなどの国家に投資するなど外へ目を向け、開発・発展を続けており、それができなければ成長できないと考えている。社会へ出た後も、好奇心と探究心を持ち続け、機会があれば国外へ行き視野を広げることが入社する最高の準備になると学生に呼びかけている。

● ビジョン力と創造力
 ビジョン力と創造力とは現在社会の様相や問題の所在を理解し、10年先の未来をも見通す力と現状を打ち破り新たなニーズに立ち向かう体系的な創造力のことである。現状を理解し問題を把握し環境に立ち向かう、これは学生、社会人に関係なく必要な能力である。東山氏は学生に10年後の台湾はどうなっているか考えてほしいと述べた。いつも将来が予測できず変化に適応できないのならば、ビジョン力は非常に大切になってくる。卒業する前に10年後の台湾や自分はどう変わっているかを考える必要があり、台湾大学の学生にはそういう習慣をつけてほしい。例えば3年後や10年後、社会が求めるものは何かそれを書き留めておく、それを3年後もしくは10年後に見直し、自分の予測力がどうかを確かめる。未来を予測し自分の予測力を見直し、未来はどう変化していくかを想像することはとても大事なことである。そのため、卒業する前にそういう力をつけてほしい。ビジョン力と創造力は似ているため、ビジョン力を鍛える訓練をしていけば創造力も向上していく。

● 驚くべき行動力
 驚くべき行動力とは理論に基づいた行動で、慎重な行いのことである。身をもって体験したこと、感じ取った物事、そのような経験と知識の積み重ねである。また、しっかりと自分の信念、目標を持ち、それを実行に移す行動力を持つことでもある。もし豊かで特別な発想があるのに行動力がかけていたら、その発想は無駄となり、致命的な欠点と言える。例えば今日の座談会の主催である徐先生と辻本先生に、座談会を実行に移す行動力がなかったとしたら、今日のような座談会は行われなかった。台湾大学の学生は入試に向けて準備し、合格しており、それは行動力を発揮した成果であると言える。考えて欲しいのは次のさらなる目標は何か。台湾大学に合格したことは目標を達成した喜びであるが、もう一つ大事なのは挫折感である。私達の行動力はその二つの感覚の上に成り立っている。社会にいると、挫折感と達成感が交わり、学生時代ではあまりなかった、一日のうちに挫折感と達成感を両方味わうこともある。東山氏は学生に対しこの二つの感覚を元にして自分の行動力を発揮してほしいと願っている。

● テーマ:三菱商事が求める人材像
  発表者:丹羽康彦 (台湾三菱商事股份有限公司総経理)
  丹羽氏は「三菱商事が求める人材像」について指標となる「信」「力」「知」の3つの特質を挙げた。「信」とは顧客の信頼を得る行動力、「力」は組織化する執行力、「知」は将来性及びデータ処理能力である。この部分の中でもっとも重要なのは、他人の信頼を得る「信」である。三菱商事は世界各国に拠点があるグローバル企業であるため、いかに各国の人々の信頼を得るかが重要になる。また、「力」も重要で、最後まで物事をやり遂げる力のことを指す。「知」は解決方法を見つけ出す知的能力である。丹羽氏は「人の基本素養(信)」、「採用を決める指標(信+力)」「採用後の教育と実務経験(信+力+知)」の3つを順を追って述べていく。


● 丹羽氏は「人の基本素養(信)」
 基本素養は経営幹部や商売人になる意志のある学生が入社前に持っていてもらいたいものである。これは社会人の常識、哲学、品性、謙虚さ、誠実さ、知的好奇心、フィジカルタフネス、そして向上心である。

● 採用を決める指標(信+力)
 執行力は次に重要な能力であり、忍耐力、相手への共感力、ビジョン力、変化への適応力、意思決定力、創意工夫力を指す。三菱商事に入社させるかどうかは、「信」と「力」の2つの能力によって判断する。この段階では、「知」はあまり重要ではなく、判断力と論理的な思考があれば潜在的に将来成長すると言える。

● 採用後の教育と実務経験(信+力+知)
 入社後の教育で、会社は人材を育てるために「知」を訓練し育成する。実務経験の段階では、実際に入社して遭遇した状況で「信」「力」「知」の3つの能力を育成する。三菱商事は入社後、社員に自分の能力以上の仕事を与え、成功と失敗のどちらも経験させる。いわゆるOJT研修である。OJT以外にも、失敗したら反省し、その経験を概念化、一般化させるような社外教育(OFF-JT)も重要である。OJT研修とOFF-JT研修で良いサイクルを作ることができる。

 三菱商事は多様な商業形態を持つ総合企業であるため、顧客の信頼を得られて、執行力を持つ知的人材が必要となる。その他多くの企業もこの3つの力を持つ人材を必要としているため、学生には卒業前に、たくさん勉強し、積極的にイベントに参加し経験を積んで、この力を身につけてもらいたい。

 講演終了後は東山氏と丹羽氏に学生からの質問に答えていただいた。学生からは日本人や日系企業における女性や台湾人など様々な質問が出た。東山氏はこれらの学生からの質問にまとめて答えていただいた。まず台湾人がもつ日系企業の固定概念を捨ててほしい、日本にも様々な企業がある。女性や外国人の登用に関しても現代のニーズに合わせており、最適な環境を提供するよう心がけていると述べた。丹羽氏も同様、現在女性が働きやすいよう制度を整え、より良い環境作りをしている。台湾人に関しても「信」「力」「知」の3つの能力を育成してほしいと述べた。このように東山氏と丹羽氏にご丁寧に回答していただいたところで座談会は締めくくられた。