私が台湾に暮らして20年以上の歳月が過ぎました。この間、日本社会における台湾への認知度、イメージは大きく変化しました。特に2011年の東日本大震災とその復興支援によって台湾への関心は高まり、メディアでも頻繁に台湾が取り上げられるようになりました。雑誌やテレビでも台湾特集を組む機会が増え、コロナ前の2019年には過去最多の日本人旅行者が訪れました。
人々の興味も表層的なものから一歩深いものへと変わり、メディアが取り上げる内容も変化しています。それまでは観光情報と言えば台北が中心でしたが、近年は台南や嘉義、高雄、台東といった地方都市も取り上げるようになっています。
私自身、台湾各地を巡り、多様で奥深い自然、文化、食、祭典などに惹かれてきました。媽祖巡礼の体験やアップルマンゴーの開発秘話、日本語世代との交流、原住民族の集落や離島への旅などを題材に、各地で出会った人々や印象深いできごとを取り上げたいと思います。そして台湾の人々の気質、特に「チャレンジ精神が旺盛で、自分がいいと思ったモノや情報を広めようとするサービス精神」など、取材者の目線から、台湾の魅力について語りたいと思います。