アフリカ東部に位置するウガンダ共和国北部では、約23年間もの内戦が続いた。その内戦中、神の抵抗軍という武装勢力が約3万人もの18歳未満の子どもたちを誘拐し、兵士としていた。2004年に子ども兵の調査のためにウガンダ北部を訪れた講演者(鬼丸昌也)は、元子ども兵たちの悲惨な体験談を聞き、衝撃を受ける。
なぜ、子ども兵が存在するのだろうと考えたとき、紛争とその背後にある資源との関係性に気づく。ウガンダ北部の紛争は、隣国南スーダンの石油利権をめぐるものであった。他にも、コンゴ民主共和国東部では、レアメタルや貴金属など希少価値のある鉱物資源の利権をめぐる戦闘が未だに続き、子どもたちの徴兵や、女性たちへの性的暴力が続いている。
このような現状を踏まえたとき、アフリカでの紛争の背景にある「資源」を大量に消費している先進国(新興国)に生きる私たちの「暮らし」と、子ども兵を生み出す紛争と無関係でないことがわかってくる。
だからこそ、講演者は言う。「資源を大量に消費している私たちが、紛争と関係のない鉱物資源を使った製品を購入するなど、自らの暮らしを変えることで、アフリカの紛争を終結させることにつながるかもしれない」と。
子ども兵に象徴される地球規模の課題と、私たちの暮らしが無関係ではないからこそ、それらの課題を解決するために、私たちの変化が求められるのだ。