普段、なかなか見ることのできない、江戸時代の往来物資料を紹介する。
日本の往来物資料(江戸時代の教科書的な資料群)は、韓国や中国にも所在することがわかっている。
それら江戸時代の文献資料を読み解くことを通して、現代の日本語の形成に往来物資料がどのように関わっているかを検討考察する。江戸時代に使用されていた資料群に見られる用語から、現代語がどのように影響を受け、変遷してきたのかを考えてみたい。
現代日本語の同意語である、味覚表現の「おいしい」と「うまい」の関係を例にして、
江戸時代の資料群が現代日本語研究にも有用であることを紹介する。