台湾は地理的に近いばかりでなく、歴史をひもといてみても、日本とは特別な間柄にある存在です。今現在、そんな台湾と日本との過去の関係や、その後の台湾が歩んできた道を知らないままで観光に、またビジネスにと訪れる日本人は少なくないようですが、たとえ駆け足の観光でも一度、台湾に来れば必ず何か不思議な思いにとらわれるはずです。それは、ひと言でいえば「初めてなのに懐かしい」という近しい感じでしょうか。
忘れてならないのは2011年3月11日に起きた東日本大震災に際して、台湾の方が200億円もの義援金を市民レベルで集めて下さったことです。あの時に多くの日本人が改めて、台湾をより身近に感じたはずです。
このようにアジアの中でも近しい存在であり、一見よく似て見える台湾と日本ですが、実は、来れば来るほどそれぞれの違いを感じるようになってきます。それは台湾の発見であり、そのまま合わせ鏡のように日本人を知るということでもあります。そこで私たち日本人は苛立ち、考えさせられ、悩みます。今回は、そんな日本人が抱える「ややこしさ」について、お話ししようと思います。