內容:
演目一「動物園」(中国語)
演目二「桃太郎」(日本語)
摘要:
私は今回の公演を通じて、学生の皆さんに二つの事を伝えたかった。
落語は、演者一人で登場人物のセリフを喋るだけ。言わば最小限の表現を、聴く人の想像力をプリズムとして無限の世界を頭の中のスクリーンに投影する。よりリアルなものを求める現代において、最小を無限に拡げる人間の「想像」という能力の素晴らしさを再認識して貰いたかったのが一つ。
私は今回の公演に向けて、どうしたら台湾の人達に落語を伝えられるか、常に相手の立場を想像しながら準備をしてきた。一方、落語はセリフだけで話が進むので物語の序盤は内容が分かりにくいのだが、学生の皆さんはそこを辛抱して耳を傾けてくれ、最後には物語全体が伝わって笑いが起こった。つまりコミュニケーションが出来たのです。自分の考えを伝えるには相手の立場を考える。伝えられる時には、初め理解出来なくても相手の考えを推し量りながら我慢して耳を傾ける。これから世界中の様々な考えを持つ人達と関わるであろう学生の皆さんに、このコミュニケーションの基本を体験して貰いたかったのがもう一つ。
落語が皆さんに新鮮な体験となったでしょうか。私にとって今回の公演は素晴らしい経験で終生忘れる事はないでしょう。関係各位の方々には心から御礼申し上げる次第です。