2015年11月13日、台湾大学校史館1F会議室にて、九州大学久保千春総長の講演会を開催した。演題は「九州大学の現状―未来の課題に挑戦する大学」。九州大学の学内組織や学生数といった大学の基本情報のほか、主に大学の国際化にまつわる取り組みの紹介があった。特に2011年に創立100周年を迎えてからは、新たな100年に向けて「九大百年、躍進百大(あらゆる分野で世界のトップ100大学に躍進する)」というスローガンを掲げている。そのもとで、今年は「九州大学アクションプラン2015」という次の6項目を設定し、この実現のための具体的なプランを実行している。
「九州大学アクションプラン2015」
- 世界最高水準の研究とイノベーション創出
- グローバル人材の育成
- 先端医療による地域と国際社会への貢献
- 学生・教職員が誇りに思う充実したキャンパス作り
- 組織改革
- 社会と共に発展する大学
当日在台九州大学OBも大勢来場し、会場は満員となった。講演後の質疑応答では、多くの質問があがり、総長はその一つ一つにわかりやすく丁寧に答えられた。質疑応答の一部は以下の通り。
Q. 文科省による人文社会科学系の組織の見直し案についての総長のご意見。
A. この案については産業界からも「人文系を軽視するのはとんでもない」との声がある。私も人文系を大切にしていきたいと考えている。ただ、九州大学では現在、同じような内容を学ぶ学部・学科が重複して存在しているケースもあるため、一定の組織編成は必要。
Q. 大学入試に、英語の試験実施の代わりにTOEIC等の成績を利用する私立大学も増えてきているが、国立大学はどうか。
A. AO入試といった多様な入試形態はすでにあるが、外部試験の導入はまだ考えていない。また大学ではモチベーションUPのため、学生・教職員に英語力のUPの取り組みに力を入れている。