現代日本では学校の大衆化が進み、高校への進学率はほぼ100%、大学への進学率は約60%である。近年は私立学校の新設が続き、高校・大学市場が飽和状態となっている。日本の教育予算は国際的にみて小さな割合であるため、家計からの支出の割合は大きい。しかし、肯定的立場からみると日本の教育予算の割合は教育システムの効率性の証拠となるだろう。日本の学校教員の労働は授業時間こそ短いが、授業以外の総労働時間が長い。これは部活動や課外活動をはじめ、東日本大震災の時には避難所を運営したり命がけで子供たちの安否確認をしたり、仕事熱心な教員が多いということが一因である。
日本の学校体系は画一・平等が原則となっているが、エリート化や職業教育などの例外が増加している。少子化の影響を受け、小中学校・高等学校の児童生徒数は近年減少傾向にあるが、特別支援学校は増加傾向にある。小中学校の廃校が増えているが、児童生徒数の減少と小中学校数の減少幅は異なる。少子化という最大の社会変化に伴い、従来の40人学級から少人数学級へと移り変わっている。学校の規制改革も進み、地方自治体が運営する公立校以外にも、学校法人などが運営する公設民営学校も増え、より柔軟な学校教育が行われるようになってきた。社会の変化に伴い日本の学校教育がどのように変わってきているのか考察する。