2014年2月22日、本校文学院会議室において、国立台湾大学文学院日本研究センター開幕式が行われました。この日は、名古屋大学「アジアの中の日本文化」研究センターとの学術協定締結式もあり、双方の代表(名古屋大学:坪井秀人センター長、台湾大学:徐興慶主任)が協定書に署名した後、坪井秀人センター長より挨拶がありました。(以下、概要)
この度は、台湾における最も中核的な研究機関である国立台湾大学に日本研究センターが設立されましたことに、心からお祝い申し上げます。その栄えある日に、私共のセンターとの間でこのように覚書を締結し、学術交流を始められることを大変光栄に思っております。
私共のセンターは昨年発足したばかりですが、2008年に前身である「日本近現代文化研究センター」が設立されて以来、活動を続けて参りました。日本近現代文化の研究を行う際に重視してきたのは、「東アジアの中で日本研究をする」ということです。昨年発足した「アジアの中の研究センター」は、特に東アジアの中での日本研究の充実を目的として設立されたものです。「東アジア関係学」という概念を設定し、東アジアとの関係の中で日本研究を行っています。台湾大学と名古屋大学の交流には長い歴史があり、私のところにも台湾大学の学生が来ていますし、中には日本の大学に就職した学生もいます。台湾と日本の関係ということで言いますと、単に日本研究だけではなくなっています。私は日本文学が専門ですが、日本文学だけではなく、例えば台湾文学の研究からも多くの刺激をいただいておりますし、台湾で出版された本が日本語に翻訳され、それを日本の研究者が研究に活かすということが、今では当たり前のようになってきています。関係学というのは、「同じ水位で一緒に研究を進めていこう」ということだと思っています。そういう意味で、この度両センターが新しい研究の出発点に立ったというのは、大変意義深いことです。先ほど徐先生からご紹介いただいたように、昨日も大学院生の研究交流発表会を開催し、台湾大学と名古屋大学の学生が同じテーブルで議論するということが実現しました。新しい世代の研究者に繋いでいくことも、私たちにとって重要な課題だと思っています。