【學術活動】 伊東貴之先生主講:近代日本における中国学・東洋学の成立と展開
2014年12月12日 日本研究中心

講 題:近代日本における中国学・東洋学の成立と展開

主講人:伊東貴之(国際日本文化研究中心)

主持人:徐興慶(臺灣大學日文系教授.日本研究中心主任)

時 間:2014年12月17日 15:30~17:20

地 點:台灣大學普通教室204

概 要:
 明治期以降、西洋近代の学問体系や大学制度を摂取する過程で、近代日本における中国学や東洋学もまた、帝国大学を中心とする大学アカデミズムや学術界の編制、知の枠組みの確立に伴って、哲学や歴史学の一分野として成立した。まずは、江戸・徳川期以来の儒学や漢学的な伝統のなかから、東京帝国大学を中心として、西洋哲学の枠組みをも参照しつつ、井上哲次郎・服部宇之吉らによって、いわゆる支那哲学・東洋哲学などの学問分野が形成された。次いで、京都帝国大学を拠点として、内藤湖南・狩野直喜らにより、清朝考証学やフランス・シノロジーなどの方法論も摂取した、いわゆる京都支那学が成立する。他にも、東京帝国大学の白鳥庫吉、慶應義塾出身の那珂通世、早稲田大学で教鞭を執った津田左右吉らによって、西洋近代の実証主義を踏まえた東洋史学が確立され、文献批判・史料批判の方法が定着した。その他、旧・満鉄調査部をはじめ、戦前の各種調査機関による中国社会の実地調査は、国策的な意味合いも大きかった一方で、当時のアカデミズムには稀少な、中国の基層社会の実態に迫る側面も持ち、戦後の地域研究や社会科学的な研究の先鞭を付けた一面もある。本報告では、こうしたさまざまな流れを整理しながら、それらが有した意義や逆に時代的な限界、功罪などに関して、批判的に位置づけつつ、概説的な解説を行い、併せて、近代日本人の中国・アジア認識の一斑を解明したい。

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