概要

 本大会は、東アジアを中心とした国々の研究者に、多様な分野において蓄積されてきた日本研究に関する成果を発表・議論する場を提供し、日本研究と日本研究者の国際的交流の発展に寄与することを目的としています。 本大会が誕生されたゆえんを言いますと、北米を中心としたAAS(アジア学会)、欧州を中心としたEAJS(欧州日本学会)に対し、東アジア地域にはたくさんの日本研究者が活動しているにもかかわらず、現段階において、個人あるいはグループ単位での交流は行われていますが、東アジアの日本研究者が一堂に会して交流しあう場はまだ作られていません。

 そのため、5名の発起人により東アジアの日本研究機関を中心に「東アジア日本研究者協議会」(以下協議会)を発足し、協議を重ねてきました。その趣旨として第一に、日本研究の質的な向上を目指します。第二は、地域の境界に閉ざされた日本研究から脱し、より多様な観点と立場からの日本研究を志向するためです。第三は、東アジアの安定と平和に寄与するためです。そのほか、東アジアの日本研究者が一堂に集まり真剣に討論しあい、交流すること、それ自体にも意味があるはずです。協議会は将来東アジア地域を網羅する学会の設立を前提にしたものです。

 上記に述べた趣旨をもとに、東アジアの日本研究機関が順次執行を担当することにより、年に1回の国際学術会議を開催することになっています。第1回は2016年に韓国のインチョンで、第2回は2017年に中国の天津で、第3回は昨年(2018年)日本の京都で開催され、三回ともおよそ300名にのぼる各地日本研究者が集まりました。 4回目となる今回の大会は台湾の台北で開催されます。台湾での開催により、東アジアの日本研究者が交流を深め、分野を超えた学際的研究の基盤作りを目指しています。日本研究は日本に限られるものにならず、東アジア周辺国々に拡大させ、マクロ的視点と立場から、言わば外側から志向することによって新しい道を見出すのではないかと思っています。なお、次世代の日本研究者の育成にも力を注ぎ、積極的に支援することにより大学院生や若手研究者が互いに切磋琢磨を通し良い刺激となることが、将来の日本研究にもつながるだろうと確信しています。

朴 喆熙(ソウル大学校国際大学院院長)
徐 興慶(台湾・中国文化大学学長)
小松和彦(国際日本文化研究センター長)   
徐 一平(北京外国語大学北京日本学研究センター教授)
李 康民(漢陽大学校日本学国際比較研究所長)

主催:東アジア日本研究者協議会、台湾大学日本研究センター

協催:台湾大学文学部、中国文化大学東亞人文社会研究院、高雄大学人文社会科学院、政治大学日本研究プログラム、中興大学日韓総合研究センター、台中科技大学日本研究センター、東海大学日本研究センター、淡江大学村上春樹研究センター、台湾日本研究学会、台湾日語教育学会、財団法人台湾応用日語学会、財団法人中日文教基金会、財團法人世聯倉運文教基金會、公益財団法人渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)

助成:独立行政法人国際交流基金、財団法人東芝国際交流財団、科技部、教育部

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