高木誠一郎演講活動
高木誠一郎演講活動 活動花絮
日期:2017.12.25 | 單位:臺灣大學日本研究中心
        

     

講 題:日米中関係の現段階

主講人:高木誠一郎(日本國際問題研究所研究顧問)

高木誠一郎演講活動
日期:2017.12.25 | 單位:臺灣大學日本研究中心
日米中関係の現段階
概 要

 戦略の三角理論に基づき、二者関係の良し悪しと三者関係の安定性から、以下の四つのタイプに分けることができる。

  1. 三共存型(安定):三者が友好関係にある。
  2. 恋の三角関係型(不安定):三者のうち二者は敵対関係にあるが、それぞれもう一者とは友好関係にある。
  3. 結婚型(安定):三者のうち二者は友好関係にあるが、それぞれもう一者とは敵対関係にある。
  4. 三国志型(不安定):三者が敵対関係にある。

 中国の戦略発展の面から考えると、結婚型の三角関係の中で孤立するのを避け、恋の三角関係における中軸の立ち位置を目指すべきだと言える。

 日米中関係の現段階を分析する前に、2010年頃の局面の変化を簡単に振り返ってみる。中国は鄧小平が過去に提唱した「韜光養晦」路線から脱却し、強硬な姿勢に転じた。米国では、当時の大統領であったオバマがアジア太平洋再均衡戦略を掲げた。日本では、安倍晋三首相が二度目の政権を握った後、第一次安倍政権以降続いた頻繁に首相が交代するということはなくなった。以下、日米、米中、日中に分けて二国間の関係について検討していく。

  1. 日米関係:民主党政権期に沖縄基地等の問題から摩擦が生じていたが、安倍政権になってからは、憲法解釈の変更等を通して日本側は防衛面での協力基盤の強化を続けている。またオバマ政権が進めていた地域的経済統合にも協力し、双方は安定した友好関係を築いてきた。新たにトランプが大統領となってからも、大きな変化は見られない。
  2. 米中関係:中国側が「新型大国関係」を追求したことで、米国のグローバルな覇権の確保という目標と衝突することとなった。両国は戦略の上では対抗の姿勢を見せているが、部分的には依然として協力の可能性を模索している。 
  3. 日中関係:尖閣問題および中国国内での反日感情の爆発以来、両国の世論における相互認識は悪化の一途をたどっている。また、双方の指導者の関係も良いとは言えず、両国の関係を全面的に改善するのは容易なことではない。

 以上をまとめると、中国は日本と米国の間で自身の利益の最大化を求めて進めていた離間政策に失敗したといえる。日米は基本的に安定した友好関係を維持しており、それぞれ中国との間に対立と協力という二局面が存在する状態にある。日米中関係の今後の発展の方向として、二つの可能性がある。一つは、中国に対米、対日関係改善の圧力をかけることで、日本が恋の三角関係の中軸となる場合、そしてもう一つは、中国が日米両国と対立を続け、対欧等の関係強化を求め、戦略的三角関係から離脱する場合である。