関西大学・台湾大学第二回大学院生共同発表会
関西大学・台湾大学第二回大学院生共同発表会 活動花絮
日期:2016.4.23 | 單位:臺灣大學‧關西大學
 







関西大学・台湾大学第二回大学院生共同発表会
日期:2016.4.23 | 單位:臺灣大學‧關西大學
関西大学・台湾大学第二回大学院生共同発表会
 2016年4月23日、関西大学との大学院生共同発表会が、関西大学児島惟謙館において開催された。開会の辞では、関西大学中谷伸生教授より「この発表会は今年で2度目の開催となったが。今は幅広い国際交流を重視する姿勢に基づき、新しい視点から学問を問い直すことが求められている。当発表会はその点においても非常に意義があるものだ。」との挨拶を賜った。

 本発表会は范淑文教授(台湾大学)、松浦章教授(関西大学)、林立萍教授(台湾大学)、中谷伸生教授(関西大学)の4名の教授による基調講演に始まり、その後4つのセッションに分けて院生による論文発表が行われた。

 発表テーマは主に日本の文化や歴史に関わるものなどで、それぞれの発表に対して多くの質問やアドバイスが寄せられた。発表した院生は、異なる領域を専門とする学内外の教授陣及び院生から意見を得ることができ、大きな収穫となった。プログラムの詳細は以下の通り。
論文発表一

発表者:林姿瑩(大阪大学大学院文学研究科院生)
テーマ:大岡昇平『俘虜記』における俘虜描写の意味再考

発表者:豊田郁(関西大学大学院東アジア文化研究科院生)
テーマ:土田麦僊の花鳥画をめぐって

論文発表二

発表者:吳昀融(台湾大学政治学研究所博士班)
テーマ:朝貢システム:平和の創造者か?

発表者:郭珮君(台湾大学歴史学研究所博士班)
テーマ:成尋の雨乞い儀式に見える日中仏教文化交流

発表者:村上敬(関西大学大学院東アジア文化研究科院生)
テーマ:円山応挙の「寛政描き」とその背景

論文発表三

発表者:柯輝煌(台湾大学芸術史研究所碩士班)
テーマ:尾崎秀真と1930年代の台湾書壇

発表者:曾筱甯(台湾大学音楽学研究所碩士班)
テーマ:矛盾とよみがえり─台北中山堂(公会堂)における芸術イベントの研究

発表者:何娟娟(関西大学大学院東アジア文化研究科院生)
テーマ:清末湖南省引进日本版纸币初探

発表者:島村朋惠 (台湾大学政治学研究所碩士班)
テーマ:日本統治末期における台湾人の「政治上の待遇改善」政策に関する研究

論文発表四

発表者:趙思倩(関西大学大学院東アジア文化研究科院生)
テーマ:1883年アメリカにおける中国不正茶事件―アメリカ新聞を中心に―

発表者:胡安美(京都大学大学院文学研究科研究生)
テーマ:1920年代の葬儀に見る「国」から「民」への思想変化─大隅重信の「国民葬」と孫文の「国葬」と蒋渭水の「大衆葬」を例として

発表者:呉征濤(関西大学大学院東アジア文化研究科院生)
テーマ:近代日本資料にみる杭州木炭

発表者:郭楠(関西大学大学院東アジア文化研究科院生)
テーマ:清国窯業調査報告に見る景徳鎮磁器の焼成

總結與展望
 論文発表終了後、台湾大学の辻本雅史教授、林立萍教授、曹景惠副教授がそれぞれ論評を行った。辻本雅史教授からは「研究の意義を自らの言葉でしっかりと語れるということが重要だ」、林立萍教授からも「論文執筆時には、そのタイトルが実際の研究内容と合致しているか、熟考を重ねることが大切だ」と院生への激励とアドバイスがあった。曹景惠副教授は、「今日論文発表をした皆さん自らが、当発表会のテーマである『文化交渉』を体現する担い手であると感じた」と両校による発表会の意義を強調した。  

 最後に、台湾大学日本研究センター徐興慶主任から「研究の過程では、交流を通じ他の人の研究について知ることが、非常に大きな意味を持つ。今後も若手研究者の育成に尽力したい」との閉会の辞があり、本共同発表会は閉会した。