講 題:古代・中世の日本における日記・文学に見える「夢」について
主講人:松薗 斉(愛知學院大學文學部教授)
主持人:曹景惠(台灣大學日文系副教授兼日本研究中心特約研究員)
日本の古代・中世の文学作品には、さまざまな場面で夢が大きな役割を果たしており、一方、天皇・貴族や僧侶たちを中心に作成されていた日記にも多くの夢の記事が記されている。前者の文学作品に見える夢については、すでに数多くの研究が蓄積されているが、同時代にみえる日記に夢を記す行為との関係を、古代・中世を通じてトータルに論じた研究は多くはない。ここでは『平家物語』などを題材に、文学と夢、日記と夢、そしてその両者との関係をさまざまに論じてみたい。